塚原美樹です。
前回は、比喩について確認をし、逆メタファーという頭の使い方をご紹介しました。
今回は、いよいよ、比喩を使ってアイデアを考えていきましょう。
あなたは「朝礼の3分間スピーチ」をすることになりました。このスピーチのテーマをどうするか、そのアイデアを比喩を使って考えてみましょう。
1.単に思い浮かぶ言葉をランダムに書き出す
スピーチのテーマを考えているものの、何を話して良いやら、まったくアイデアが出てきません。そんな時、ランダムに何でもいいので、浮かんだものの名前を挙げてミニマインドマップに書いてみましょう。スピーチのアイデアとは何の関係もなくて良いのです。ただ、ふと浮かぶことを書きます。できれば概念的な言葉よりも、具体的な物を表す言葉のほうがいいです。固有名詞は大歓迎です。
2.逆メタファーと連想でアイデアをふくらませる
次に、前回の逆メタファーを使ったり、連想を使って、最初のアイデアをふくらませます。これはどのように行うかというと、たとえば、「Kindleは無限の本棚をたとえていると考えられるな」とか、「プリンタは見える化をたとえられるよな」といった感じです。
3.気になる言葉に赤丸をつける
ある程度、アイデアが増えてきたら、気になるものに赤丸をつけます。この時にも、スピーチのアイデアを考えようとせず、ただ単に、気になる言葉だけをみつけるようにします。また、さらに書き足したいことがあったら、書き足しても構いません。
あまり早い段階で、「どのネタがスピーチのアイデアになるんだろう」と考え始めると、逆に発想が行き詰まってしまいます。ですので、この段階ではスピーチの事は忘れていてください。ただ単に「なんとなく気になる」というものに素直に赤丸をつけましょう。
私の場合には、
- 関東、関西、名古屋
- 現代版
- 本棚
- 見える化
の言葉に赤丸がつきました。
これは、アイデアの種のようなものです。
4.気になる言葉同士のつながりからアイデアを生み出す
気になる言葉に赤丸をつけたら、その言葉同士を、今度は関連させられないか考えてみます。
考えているうちに、つながりが見えてきたら、こんな風に矢印を描き入れます。
つながりが見えてきた時には、アイデアも得られてきます。ここまでのプロセスを通して、だんだん自分の興味も絞られてきているでしょう。
私の場合、こんなことを考えました。
Kindleは、無限の本棚とも言えるけれど、現代版本棚とも言えるなあ。
けれど、普段は本がKindleの中に入っているので、本が実際には「見える化」されないのが気になるよな。
リアルの本棚は、本の背表紙が見えて、これがいいところなんだけどな。
一方で、本が多すぎると、本棚の本の後ろにも本を置いてあったりして、これまた、見える化されていないし、整理するのが一苦労だよな。
Kindleが本棚として、もっと「見える化」できていたらいいのに。
たとえば、Kindle本をフォルダごとに入れているけれど、これを本棚に飾っているかのように見せるアプリがあって、大きめの画面で一覧できたら、いいよねえ。
背表紙が見えているだけでなく、そこをクリックすると、表表紙が見えて、中身もパラパラっと見えるとか。
誰かこんなアプリ作っていないのかな……。
これで、3分間スピーチになるかどうか分かりませんが、とりあえずアイデアは得られました。あとは、考えたアイデアを整理して、スピーチになるように組み立てればいいでしょう。途中で赤丸をつけた「関西、関東、名古屋」は、今回は使いませんでした。
良いアイデアが浮かばないと思う時でも、こんな風にランダムに頭に浮かんできたものを何かのメタファーと捉えたり、連想を上手く使うだけで、アイデアを生み出すこともできます。
実際の会社のスピーチでは、テーマが与えられているなど、もっと制約があるはずです。ですが、その制約の中で考えるにしても、こういった方法を使うことで、発想の幅が広がるはずです。ありきたりのアイデアしか出なくて納得できないときなどに、使えるはずです。
あなたも、ぜひ、比喩を使ったアイデア創造、やってみてくださいね。
シリーズ記事 「マインドマップでアイデア創造」
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