塚原美樹です。
前回は、「Yes, and」でつないで、ポジティブな連想を使うことでアイデアを出す方法についてお話ししました。
今回は、また、具体的にどのように考えるとアイデアが出てくるのか、その方法をお話ししたいと思います。
「SCAMPER」というフレームワークを用いて、強制的にアイデアを出していくことができます。
1.アイデア創造のフレームワーク「SCAMPER」
アメリカの大手広告会社の会長でもあり、ブレインストーミングという手法を考えたとして有名なアレックス・オズボーンは、アイデアを生み出すためのチェックリストを作りました。
オズボーンのチェックリスト
- 転用: 他に使い道がないか?
- 応用: 他からアイデアが借りられないか?
- 変更: 変えてみたらどうか?
- 拡大: 大きくしてみたらどうか?
- 縮小: 小さくしてみたらどうか?
- 代用: 他のもので代用できないか?
- 置換: 入れ替えてみたらどうか?
- 逆転: 逆にしてみたらどうか?
- 結合: 組み合わせてみたらどうか?
このオズボーンのチェックリストを、創造性開発の研究家ボブ・エバールが、覚えやすいように改良したものが「SCAMPER」です。「スキャンパー」と読みます。
SCAMPER
- S: Substitute (代用・代替)
他のもので代用できないか?
他のもの、他の人、他の材料、他の製法、他の動力、他の音、他の色、他の味……
- C: Combine (結合)
組み合わせたらどうか?
部品を組み合わせる、詰合わせにする、ブレンドしてみる、目的を組み合わせる、利点を組み合わせる……
- A: Adapt (適応する)
他のネタを転用できないか?
別のものをこちらに使えないか?
過去の事例をこの件に使えないか?
- M: Modify (修正変更する・修飾する)
変えたらどうなるか?
形・色・大きさ・音・匂い・様式・意味・動きを変える、ひねる……
- M: Magnify (拡大)
大きくしたら? 誇張したら?
強く・高く・長く・厚く・余分に……
- M: Minify (縮小)
小さくしたら? 軽くしたら? 分割したら?
小さく・軽く・低く・短く・減らす・省略する・狭める・分割する……
- P: Put other use (転用)
他の使い道はないか?
使い方を新しくできないか?
- E: Eliminate (除去)
何かを取り除いたら?
部品・プロセス・コスト・人・情報を取り除く、簡素化、合理化……
- R: Reverse (逆転)
逆にしたら?
前後・上下・左右を逆転させる、役割・正負を逆転、攻守交替、押してダメなら引く……
- R: Rearrange (再編)
今あるものの部分と部分、要素と要素を入れ替える
構成・配置・順序・時間軸を変える……
2.マインドマップで「SCAMPER」
SCAMPERのフレームワークでマインドマップを使って、アイデアを考えてみるのは、とても良い方法だと思います。マインドマップを使うことで、フレームワークの要素別に考えるだけでなく、フレームワークの要素間をつなげて考えることも可能になるので、より発想が湧きやすくなるはずです。
たとえば、「マインドマップ & SCAMPER」で、防寒対策を考えてみたら、こんなマインドマップができました。
このマインドマップをかきながら、
- お湯を自動販売機で売ればいいのに
- 電池式卓上ストーブってあってもいいんじゃないか
- 電気毛布みたいに電気スーツを作れないか
- テーブルの下に置けるこたつを作れないか
など、バカバカしいようですが、結構、面白いアイデアがでてきました。
あなたも、ぜひ、「SCAMPER」のフレームワーク、使ってみてくださいね。
シリーズ記事 「マインドマップでアイデア創造」