マインドマップは、新たなアイデアを得るのに非常に優れたツールです。
全体を見ながら統合的に思考できるため、普通のノートを使っているだけでは行いにくい思考を助けることができます。
マインドマップでアイデアを考える時には、「連想」から生まれてくるものを極力活かすようにしましょう。
私たちの脳は、とりとめもなく様々なものを思い浮かべます。時には、まったく関係ないようなことも連想されます。そんな時に、「これは今考えていることとは関係ない」と排除してしまうことは、せっかく得られたアイデアのための素材を捨ててしまうようなものです。
最初は関係ないように思えても、じっくり最後まで考え抜いていると、関係ないと思えたことが、重要なアイデアのヒントになることがあります。
マインドマップは、もともと「連想」をそのまま「見える化」したようなノートですので、自然な連想を活かして発想をするには最適です。
マインドマップをかきながら、頭に浮かんでくる連想を、排除せずにどんどん見える化することが、アイデアを考える際の重要なポイントです。
アイデアを考える時には、マインドマップをある程度かき進めたら、必ず俯瞰して全体を見渡すようにします。
個別に考えていた時には見えてこないアイデアが、全体を見た時に見えてくることがあります。このように、全体としてものを捉えることを「ゲシュタルト」と言います。
脳の中でも主に右脳が、この「ゲシュタルト」の機能を司っています。マインドマップは、360度の全方向に広がっており、1枚の中にすべてが入っているので、脳のゲシュタルトの機能を使いやすいのです。
優れたアイデアを得るためには、マインドマップを俯瞰して、脳のゲシュタルトの機能を活かすようにしましょう。
アイデアは、そのことを考えることを止めてリラックスした時に、ふと、ヒラメくことが多いものです。
歴史を遡ると、アルキメデスが「ユーリカ!」とヒラメキを得たのは、お風呂に浸かった時だとも言われています。
また、「3B (Bed: 寝床、Bath: 風呂、Bus: 乗り物)」の場所でアイデアは得られるという話も知られています。
ですので、マインドマップを使ってとことん考え抜いたら、焦ってすぐにアイデアを得ようとせずに、いったんその考えを手放して離れてみてください。
少し離れた時にこそ、「A! Ha!」という体験が起きるでしょう。
最後にもう一つ。
実は、マインドマップの考案者であるトニー・ブザンに、「アイデアを得たい時には、どうしたら良いか?」と質問したところ、「アイデアを得たかったら、マインドマップのセントラルイメージをしっかり描きなさい」というアドバイスがあったのです。
そのアドバイスを聞いた当初は、その意味がさっぱり分かりませんでした。
ところが、マインドマップのセントラルイメージをじっくり描いていると、どういうわけか、とても集中してくるのです。考え続けることが「楽しい」という脳の状態が生まれる感じです。
「楽しい」状態であれば、当然、アイデアも湧きやすい脳の状態になっているでしょう。
トニー・ブザンの言葉の本心がどこにあったのか定かではありませんが、確かに、「アイデアを得たかったらセントラルイメージをしっかり描く」ことは、とても重要なことのようです。