「ミニマインドマップ」とは、「整理軸のない」マインドマップのことです。
ミニマインドマップには、太い「ブランチ (枝状の線)」がありません。つまり、まとまっていないのです。
けれど、まずミニマインドマップをかいてみることで、頭の中が「見える化」され、思考整理のためのとっかかりをみつけることができます。
これに対し、カラフルな普通のマインドマップは、フルマインドマップと呼ばれ、第1階層目のブランチが太くなっています。この太いブランチを「メイン・ブランチ」と呼びますが、メイン・ブランチは、まとまりを表しているのです。
マインドマップをかこうと思った時、メイン・ブランチに何を持って来ればよいのか分からなくて、困ったことはありませんか?
フルマインドマップでは、メイン・ブランチの上側の言葉 (BOIと言います)を決められないと、作成することができません。
一方で、ミニマインドマップでは、そもそも整理されていないので、頭に浮かんだことを素直にかいていくことができます。
ミニマインドマップは、頭の中にどんどん自然に浮かんでくる「連想」を、そのままかいたものなのです。
ここでは、まず、ミニマインドマップの作成方法について解説します。
ミニマインドマップで何をかいているかというと、頭の中に自然に浮かんでくる「連想」をかいています。
私たちの連想は、整理されてはおらず、連鎖的に、またランダムに浮かんできます。
ミニマインドマップでは、この整理されていない連想をそのままかいて、とにかく頭の中を「見える化」します。
ここでのポイントは、「整理しようとしないこと」です。
論理的思考を学んだ方は、整理軸を最初に設けて、その先に考えを広げようとしてしまいがちですが、この方法ですと、思考に制限がかかってしまいます。
ランダムに自然に浮かんでくる連想を、そのままに浮かんだ順にかいてみましょう。
マインドマップは、中心から外に向かって放射状にかいていきます。
最初は、テーマを中心にかきましょう。
フルマインドマップは、中央に「セントラルイメージ」という絵を必ず描きますが、忙しい時に使うミニマインドマップは、真ん中に言葉があっても構いません (①)。
次に、中央から放射状に「線 (ブランチ)」をかき (②)、その上側に言葉かイメージをかいていきます (③)。
まず、時計の1時の方角から、時計回りにかいてみましょう。
そのあとは、どこからかいても構いません。
マインドマップは、文章は使いません。
中央から放射状に広がっている線のことを「ブランチ (枝状の線)」と呼びますが、ブランチをかいたら、その上側に言葉かイメージをかくようにします。
たとえば、「車」と聞いたら、どのようなことを連想しますか?
本来の連想は、連鎖的でありランダムに浮かびますので、こんな風にバラバラに浮かんできます。
このマインドマップは、まったくまとまりがないですよね。ミニマインドマップを作成する際には、このようにまとまりがない状態のままで構わないのです。
大切なことは、頭に浮かんだ連想を排除しないことです。
頭に浮かぶことを排除せずに、とにかく「見える化」することで、初めて整理することができるようになるのです。
私たちが自然に連想する時には、頭の中には何が浮かんでいるでしょうか?
もちろん、言葉が浮かんでくることもあるでしょう。
けれど、映像、音、匂い、味、感覚などの五感のイメージが浮かんでくるということにも気づいてください。
マインドマップの考案者であるトニー・ブザンは、「脳の第一言語はイメージ」であると言っています。
確かに、たとえば「りんご」という言葉を聞いた時、頭の中には、赤いりんごの様子やりんごジュースの味が浮かんできますよね。
ミニマインドマップで連想を「見える化」する際には、言葉を使うだけでなく、イメージも使ってみましょう。
ちょっとしたアイコンや絵を、描きいれるくらいで構いません。
言葉で書くよりも、頭に浮かんだとおりの様子で記録することができるようになります。
ミニマインドマップは、頭の中の連想を「見える化」するだけでなく、人の話をヒアリングしながらメモする際にも使えます。
人の話を聞く際には、どのような話が出てくるか、あらかじめ分からないことが多いでしょう。つまり、話がどのようにまとまるのか、整理軸が見出せないのです。
この場合には、整理軸のあるフルマインドマップは、作成しにくいはずです。
一方で、ミニマインドマップは、聞いたことをランダムに記録していくことができるため、非常に便利です。
ヒアリングメモを取る際にも、ぜひミニマインドマップを使いましょう。
もちろん、後できちんと整理しなおして、フルマインドマップに直しても構いませんし、文章化すれば、誰でも読むことができるようになります。
ミニマインドマップをかいたら、それで終わりではなく、必ず最後に全体を見渡すようにしましょう。
つまり、俯瞰するのです。
マインドマップは、全体を見渡しやすく、俯瞰した時に新しい発見が得られることが多いので、「最後に全体を見渡す」ことはとても大事なことです。
また、ミニマインドマップをある程度まで作成したら、必要に応じて、フルマインドマップに作成し直すことも可能です。
ミニマインドマップを俯瞰していると、別々の場所にかかれていることが関連していることに気づくかもしれません。
その場合には、その関連箇所を「矢印」でつなげましょう。
矢印は、両矢印でも片矢印でも構いません。
全体を見渡して、「ここが重要だな」と思うところに、「クラウドマーク (雲状の印)」をつけましょう。
目立つように、違う色でマークするといいです。
このようにしておくことで、あとから見直しても、重要なポイントがひと目でわかるようになります。
ミニマインドマップは、ランダムにかかれていますが、最後に見直してみると、何らかの順序をかき入れたほうが分かりやすいということがあります。
この場合には、「ナンバー」を記入しましょう。
見直した時にも、意味を掴みやすくなります。
これで、ミニマインドマップが完成しました。
ミニマインドマップのままでも構いませんし、必要に応じて、フルマインドマップに作成し直しても構いません。
ミニマインドマップの良い点は、速くかけること、気楽にかけることでしょう。
これだったら、会社で業務中に作成していても、あまり人目を引かず、びっくりされることもなさそうですよね。